2015年04月22日(水)

セルフストレージとは、何ものか?


 

日本でも活況を見せている「収納ビジネス市場」。便利な暮らしを支えるトランクルームも町のあちこちで見かけるようになりました。かつては貸倉庫、コンテナという名称と主に企業に利用され、最近ではトランクルームの愛称で浸透が深まるレンタル収納スペースですが、「セルフストレージ」という言葉を耳にした事はありませんか?

今回のコラムでは、トランクルームの普及と共にインターネット等でもよく見かけるようになった「セルフルストレージ」という言葉を中心にトランクルームの名称の変遷についてお話してみたいと思います。

 

セルフストレージとは、本国アメリカにおける個人向けのレンタル収納スペースの総称の事。全米では45,000箇所以上あると言われる収納スペースの中でも主として個人やご家庭に利用されているサービスの事を意味します。

 

ストレージ自体は「Storage=貯蔵・保管」を意味する言葉であり、これが収納スペースを意味しています。

コンピュータに詳しい方は、ネットワークストレージ、ディスクストレージ等の専門用語で、ストレージという単語になじみがある方が多いと思います。

 

そして、このストレージという単語の前に付く言葉によって、使用者と用途が変わります。Businessがつけば、「Business Storage」になりビジネス用途の業者向けに、日本でいうところの「貸倉庫」、「貸コンテナ」に近いイメージでしょうか。ストレージにSelfがつきますと、「Self Storage」、最近日本でも普及が加速している個人向けの収納サービスである「トランクルーム」を意味する事となります。

トランクルーム先進国のアメリカでは、乗り物を保管するための収納サービスであり「Vehicle Storage」や、

趣味の道具のみを収納する「Hobby Storage」等、利用者の収納ニーズを反映した多様なサービスが展開されております。

 

セルフストレージという言葉は、本国アメリカで個人向けのレンタル収納スペースを意味するわけですが、それが最近日本で良く聞かれるようになった理由は2つあると考えます。

1つは、セルフストレービジネスが過熱している事。ご存知の通り日本でも本格的な普及が始まり、町のあちこちで「レンタル収納スペース」、「トランクルーム」の看板を目にする事が多くなったと思います。

 

日本におけるトランクルームビジネスの展開は本国アメリカからも注目されており、他国の企業が進出してくるなど活況を呈しています。トランクルーム本国のアメリカで磨かれたサービスが次々と導入されてくると共に、その呼び名も、「トランクルーム」からより本場に近い「セルフストレージ」に変容してきているのではないでしょうか?トランクルーム・コンテナBOXを運営する業者向けの協会の名称も、「JSSA/日本セルフストレージ協会」と本国の影響を色濃く反映したものとなっております。

 

2つ目の理由は、個人向けレンタル収納サービスを表現する適切な言葉が日本にはない事が挙げられます。

古くは、「貸倉庫」、「貸物置」、または「コンテナ」と呼ばれ、現在は「レンタル収納BOX」や「トランクルーム」が俗称となっておりますが、いずれの言葉もサービスの本質を正確にあらわすものとは言い難いと言えるでしょう。

試しに、インターネットで「貸倉庫」、「コンテナ」と調べれば、港湾関係の事業者向けの大規模な貸倉庫の案内がズラリ。また「トランクルーム」で調べれば、いまでこそ、セルフストレージを意味する、レンタル収納スペースのホームページが並びますが、本義のマンション等の共用スペースにある物置や倉庫業者が展開する物品預かりサービスという認識が人の頭の中に残ったままであれば、「トランクルーム」という検索自体が行われないという事態になります。

 

もちろん今トランクルームと言えば、「レンタル収納スペースだ」という認識も高まっていますが、過去の言葉の認知度を考えた時に、かつてなかった新語である「セルフストレージ」の方が、サービスを端的に表す単語としてふさわしいと業界が考えたのではないでしょうか?(あくまで私の予想です)。

 

貸倉庫からトランクルームへ、そしてトランクルームからセルフストレージへ。聞きなれないセルフストレージという言葉は本国で「個人向けのレンタル収納スペース」を端的に意味する言葉として今後日本でも普及が見込まれるものと当社は考えます。

セルフストレージ